真鰯 ( まいわし ) 真鰮 ( まいわし ) 真鰛 ( まいわし )

時候 初夏(5月)~初冬(11月)

地方名称 一般 イワシ

     関東 マイワシ

     東北 ナナツボシ

     関西 ヒラゴ

イワシ科に属する海産硬骨魚。大衆魚の王様。一般的にイワシと呼ばれるのは真鰯のことで、なじみ深く食卓に並ぶ魚。

真鰯は温帯域、片口鰯は熱帯域に棲む。

分布 本邦では北海道から九州地方、薩南諸島に生息。一部は瀬付群もあるが、日本周辺の日本海側・太平洋側とそれぞれ回遊する。10m以浅で海温が20度から25度で上層、中層を群遊し暖かい海流に乗って春は北上し、晩秋⑽から初冬⑾の頃北の海より南下する。

特徴 体は細長く側扁し、頭が割合と小さく口が大きい。円鱗で剥げやすく落ちやすい。体色は背部が青緑色、腹部は銀白色に輝き、体側に小黒斑点が1列に7個(実際は10数個個体により2列)に並んでいるので東北地方で七ツ星の名称で呼んでいる所もある。産卵は12月から7月で地域により異なり鹿児島では12月、長崎で2月、千葉沖で3月から6月、能登で5月である。産卵数も4万から12万粒と多いがほとんど他の魚の餌。幼魚のマシラスの頃は沿岸・内海に棲み、成長につれて外洋に移動する。生後2年(12~15㎝)で成熟する。最大体長30㎝に達する。寿命は5年から6年で稀に8年生きる。

成長別名称はマシラス(3~4㎝以下)

小羽(10㎝) 中羽(15㎝)

大羽(20㎝以上)に大別し、特大はオオガライワシ(24~5㎝以上)と呼ぶ。主場は日本海側では島根・鳥取沖・若狭湾・能登半島沿岸・男鹿半島など。太平洋側では薩南海域・日向灘・伊勢湾・千葉房総・三陸地方・北海道と日本周辺で獲れる。特に有名なのは千葉県の九十九里浜である。

美味な体型は頭部の顔が丸型で背部が丸みを帯びているもので、頭部が長く馬ずらは不味である。特に不味なのは1月から3月でこの間は脂が落ちる。4月から脂が乗り、5月は旬の始まり、つゆイワシと称に一段と美味。「入梅や 鯛よりうまし いわしかな」雲丹醤油によく和合する。雲丹を芯にした手巻きいわしは至福の味に変る。秋・初冬と美味。

一方イワシは「海の牧草」の如く、プランクトン・沖アミを主餌として成長し、イワシを追ってカツオ・マグロ・タイ・ブリ・海鳥・海獣類の天然の餌料となるため「海の牧草」の名称が付く。鷗の大群のあるところイワシの大漁となる。旬は5月より11月。

イワシと文献

『延喜式』(927年)の 神祇 ( しんぎ ) の供物に鰯汁あり。主形式には備中、安芸、周防諸国より「大鰯」民部式には若狭 丹波より「小弱」とある。文献上よりイワシが知れる。

紫式部はイワシの焼物が好物。塩イワシを焼いていたのであろう。塩鰯と麦飯は不思議と調和する。この頃はこわ飯であったろうと推測するが、これはよい組合せ。

土佐日記(935年)に節分とイワシの頭と ( ひいらぎ ) が載っている。

『日本山海図会』(1799年) 155鰯網に「伊予の宇和嶋いわし多し。関東にては総州銚子浦より多く出る。丹後より出るいわし名物世。風味よし」とある。

利用 食用以外に養殖用のエサ、家畜用のエサ、肥料に利用する。

漁法 定置網 巻き網で漁獲。その昔地引網。

主な水揚げ 北海道 長崎 茨城 愛媛 島根各県。

料理 生食(お造り 叩き なめろう) 煮る(煮付け 味噌煮 梅干煮) 焼く(塩焼き 山家焼き) 酢の物(ぬた 酢じめ 卯の花漬け) 汁(つみ入汁) 揚げる(フライ 青じそ揚げ) すし種など

加工品 ちりめんじゃこ 干物(目刺し 丸干し 味淋干) 缶詰(オイルサーデン)

糠漬 タタミイワシ 練り製品(蒲鉾)他

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