蝤蛑 ( がざみ )

時候 初冬(11月)~晩春(4月)

菱蟹 渡蟹 月夜蟹

ワタリガニ科に属するカニの一種で標準和名はガザミ。流通名はワタリガニ・ヒシガニで別名にツキヨガニと呼ばれる。

分布 日本海側・太平洋側に棲み、北海道南部より本州、四国、九州、沖縄に至る内湾に多く、国外では台湾、韓国沿岸、中国に至る。水深は30m以浅の砂泥底に棲み、夜行性。夏は沿岸近く、冬は沖合の深い場所に移動し、水温が下がると潜って冬眠する。

江戸時代に刊行された『本朝食鑑』(1697年)には一つのハサミは大きく、一つは小さい。大きい方で闘い、小さい方で物を食べるとある。

特徴 甲羅は横長の菱形で ( はさみ ) は強大、第5脚の足元が ( かい ) のオールの如く平たくて泳ぎが上手。体色、甲羅は暗緑色か黄土色。腹は白色で雌は甲の後方に白い斑点を散らした雲紋模様を呈し、雄は青が強く鋏の色は鮮やか。最大甲幅25㎝に達する。成長は早く1年で成熟。交尾期は9月から10月で雌・雄共に脱皮直後に行う。精液は雌の受精 ( のう ) 内に貯えられ、冬期の間雌は冬眠に入り甲羅の中の 内子 ( うちこ ) (卵巣)が発達する。甲羅22㎝で産卵数200万粒を2回(1番子・2番子)に分け産卵する。産卵期は1番子が4月から6月、産卵→抱卵→孵化放出した後、6月から8月に2番子を産卵する。

1番子の孵化幼生期間は短く半月程で稚ガニに、成長は早く1番子は秋には甲幅15㎝となり繁殖行動が行なわれる。2番子は翌年となる。一生での脱皮回数は10から15回で寿命は2年。

主な産地は有明海、瀬戸内海、伊勢湾など。雌・雄の見分け方は、雌は ( ふんどし ) が半円形、雄はV字形。食味に於いては雌の 内子 ( うちこ ) (卵巣)は珍重される。雄は胸肉で上品な味。冬期身入が多い雌は高価で取引。雄は安価で切りガニとして鍋料理に利用する。

ガザミは夏場に多く獲れるが身入が少ない。

旬は11月より4月。

漁法 刺し網・底曳網で漁獲される

料理 むし蟹 茹で蟹 鍋物 味噌汁 脱皮ガニは唐揚げ 内子は手を加えないで食す

※茹でる前に氷水に入れ仮死状態にして、脚をしばり、鍋に並べ、塩3%の熱湯を注ぎ茹でると脚が落ちない。

別名と意味

菱蟹 ( ひしがに ) →甲羅の形が菱形をしている故

渡蟹 ( わたりがに ) →第5脚が櫂のオールの如く平たく巧みに操って泳ぎ移動する。泳ぎ上手。

月夜蟹 ( つきよがに ) →月夜に群れをなし泳ぐことから。

悪い諺、月夜蟹は身が無く内容が伴わないこと。

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