昆布 ( こんぶ )

時候 二年物 採取
採取は地域により異なる

昆布はコンブ科コンブ属の褐藻類に属し寒流海域を代表する海藻で多年草。1年物は葉肉が薄く、2年ものを採取し製品に仕上げ、3年ものは老成期を迎え商品価値も低くなりその後枯れる。

分布 我が国では三陸沿岸宮城以北より北海道沿岸に生息。主産地は北海道沿岸で種類は、◎真昆布、◎利尻昆布、◎ 羅臼 ( らうす ) 昆布(オニコブ)、◎日高昆布(ミツイシコンブ)、◎長昆布、◎細目昆布の6種類(詳しくは各頁参照。)

生態 昆布は胞子により増殖する。胞子は秋期に母体外に放出され。母体は放出後に順次衰退し枯死して流出する。

胞子は2本の鞭毛を持ち海中を泳ぎ、岩礁に根をおろし、ただちに発芽する。発芽体は顕微鏡的に微小体。雌体(卵)と雄体(精子)に分かれ受精して受精卵になり、発芽して成長してササノ葉形のコンブ幼体になり、1年で1m以上のコンブ体になる。生育環境は水深10m以浅で水深6~7mが最も適し、40m以上の深さでは生育しない。体型は大きく波浪や潮流の影響を多く受けるので岩礁にしっかり根をはる。条件は純海水区域で、光線の十分に到達する場所が良く、良好な発育を示す。我が国では北海道沿岸、三陸沿岸は宮城以北に生育。養殖昆布も盛ん。

採取 地域 種類により時期は異なるが、主に7月中旬から9月上旬で2年物を採取する。漁師は晴天を見きわめ、早朝より朝、8時まで採取する。方法は小舟の上から(まつか・ 懸鉤 ( かけかぎ ) 曳鉤捻 ( ひきかぎねじ ) り)などと呼ばれる道具で引っ掛け、巻き付けで取る。昆布はその日の内に干し上げる。(※雨に当ると昆布の価値が下る)先ずは採取した昆布の根を切り落し、浜で裏表日干しにし、干し上ったのを夕刻に取り込み、屋内に移しむしろで覆い、最後に広げて平らに延し、乾燥終えたものは一定の長さに切断するか、折り畳んで一定の束にして結束して出荷する。

結束方法(5種類)

元揃昆布 ( もとぞろいこんぶ ) →葉体の基部を揃えて、長さ90㎝に切り結束したもの。

◎長切昆布→長さ75~105㎝の一定の長さに切り揃えて結束したもの。

◎折昆布→切らずに長さ27~75㎝に切り畳んで結束したもの。

◎棒昆布→長さ20~60㎝位に短く切って結束したもの。

◎雑昆布→4種の規格にあわない切り落とし部分、品質不良品、赤葉枯葉、根茎部などを俵詰めにしたもの。

昆布製品

◎青板昆布→関東好み バッテラ用

◎白板昆布→関西好み バッテラ用

◎磯の雪 →昆布を薄くそいたもの。

◎求肥昆布→北海道南部折昆布をむし上げて調味液に漬け込み、乾燥させたもの。

◎おぼろ昆布→黒おぼろと白おぼろある。白おぼろ(関東好み)真昆布・利尻昆布使用。

汁の実・うどん・そばに入れる。

◎とろろ昆布→真昆布 利尻昆布 網目昆布を何枚も重ね合せて圧搾し、糸状に削ったもの。汁の実 うどん 握り飯

加工製品

◎蛇腹昆布(祝いに使用) ◎丸籠昆布

( ) 昆布 ◎松葉昆布

煮物用

◎刻み昆布 ◎早煮昆布(長昆布 日高昆布)

◎佃煮 ◎昆布巻 ◎塩吹昆布 ◎酢昆布

飲料 ◎昆布茶

其の他使用 ◎松前漬用

平安時代中期の百科事典、『 倭名類聚抄 ( わみょうるいじゅうしょう ) 』(和名抄)にコンブは 比呂女 ( ひろめ ) (広布)・ ( えびす ) ( ) の文字が当てられている。当時税として三陸沿岸で採れたコンブを干して陸奥から官道を通って納められた。

江戸時代に於いては北前船で日本海沿岸に各地に運ばれ、その中で敦賀では藁布団に寝かされ1~3年で昆布の臭いと磯の香を除き一方は京都へ、もう一方は大阪の問屋に渡り、関西での昆布の文化を築く。

一方沖縄に運ばれ琉球王国は当時の中国に輸出する。

古来からの精進料理は昆布出汁が主体で干椎茸、干瓢で味を調える。貴品に満ちた粋な味は文人好みとして完成される。

一方会席料理の華は「潮椀」食品三尊の一つ鯛に塩をして昆布と酒とで仕立てる吸椀は最上の酒の肴となる。昆布の旨み成分は明治に入り化学的に池田菊苗博士により発見(グルタミン酸ナトリウム)明治40年(1907年)。

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