歴史
今日ではフグは超高級品。食物史上では長いこと下魚扱い。室町時代食材に位があった。「美物と粗物」。美物とは魚類を指し第1位は鯉。粗物とは蔬菜類のことで、美物の中には河豚なるものがない。室町時代日本料理の流れが生れ、武家社会では格式を重んじた。七五三膳なる本膳料理が出来るが、ふぐは下魚扱い。秀吉の朝鮮出兵の折、フグ中毒で多数の兵が死亡。フグ禁止令を発している。江戸時代武士はフグを食べればお家断絶などの罰を受ける。下魚以下の物でしかなかった。そんな中で江戸初期の『料理物語』(1643年刊行)の中にフグ汁が載っている。隠れて食べていたのであろう。明治27年下関の料亭 春帆楼 で初代総理大臣伊藤博文公「フグ料理」を食し、フグ料理解禁になったのは有名な話。山口県から地方に広がりを見せ、明治・大正・昭和と続くが下魚扱いの料理に過ぎない。1950年(昭和25年)調理師法が制定。それと並んでフグ条例が各地で制定。フグの調理は免許証を持った者が行うようになる。河豚が高級になるのは1964年東京オリンピック以降であり、超高級魚として認知されるのは2000年以降である。
河豚について
フグ類は世界の暖海に広く分布。世界には120種類。日本近海には40種が知られ、その中で超高級な虎フグで他にカラスフグ・マフグ・コモンフグ・ショウサイ・・・など。
フグの特徴は口が小さく声を発する。 顎 が異常に強く、顎歯が発達し、目はまばたきをし、鱗がない。敵を威嚇するため体を膨らませ通常の2倍になる。これは胃や膨張 嚢 に空気や水を扱いこんで大きく見せるためである。
分布 日本近海では北海道から九州一帯及び東シナ海に及んでいる。虎フグの主場は九州西岸・関門海峡・天草・瀬戸内海。日本海側では若狭湾・能登である。満3年以上で成魚になる。
漁法 延縄 定置網 一本釣 底曳網で漁獲される。今日では舟底にいけすを作り活フグを運んでいる。
酒 鰭酒 身酒 白子酒 骨酒
料理 鉄サ ブツ 鉄チリ フグ汁(味噌・醤油) 雑炊 焼物 白子焼き 揚げ物 蒸し物 煮凍り 和え物(鉄皮・とうとう身)
料理用は虎フグ・カラスフグ・真フグが主。
惣菜用はコモンンフグ・ショウサイフグなど。
加工用はシロサバフグ・クロサバフグである。
河豚と毒
フグの肝臓は体重の20%もあり、卵巣も加えると相当量である。4㎏の虎フグの肝臓と卵巣の量で35人の大人の命を奪うと言われている。
1909年(明治42年)田原良純博士が卵巣から抽出に成功しテドロドドキシンと命名する。テドロドドキシンは青酸カリの1000倍の強さ。河豚の種類と部位(肉・皮・血液・肝臓・腸・精巣・卵巣)により毒力が異なる。同じ種類でも地域・季節によっても毒力の差が見られる。
毒性に4種類
◎猛毒→10g以下で致死量 子供なら5g以下
◎強毒→10g以上 100gで致死量
◎弱毒→100g以上 1㎏以下で致死量
◎無毒→1㎏以下で致死量にならない
※フグ調理は専門の免許証が必要です。
県別の条例により河豚調理師又は河豚処理師などと呼ばれている。
◎本書種類別記載
①虎フグ ②カラスフグ ③真フグ ④コモンンフグ ⑤しょうさいフグ ⑥メフグ ⑦アカメフグ ⑧草フグ ⑨胡麻フグ ⑩島フグ ⑪彼岸フグ ⑫黒鰭フグ ⑬白鰭フグ
※詳しくは各種類別参照。
※フグの中で毒サバフグとキタマクラは食品衛生法に基づいて流通されない。(危険食品)
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