時候
七月 晩夏
梅雨が明けると極暑となる。海・山が一番賑わう時分である。
水無月 晩夏
陰暦六月の異称。
半夏生 晩夏
七月二日頃。七十二候の一つ。農家では田の神を祭ったり、この日の天候で 豊凶 を占う。雨が降ると大雨になるなど迷信がある。
この頃花を咲かせるためこの名が付けられた。葉の半分が白い( 半化粧 )、茶花、庭園の観賞用。
梅雨明 晩夏
梅雨期は梅雨入からおよそ三十日で終る。日本列島は南北に長く、南から明ける。七月上旬頃に当る。
涼 し 三夏
涼 しさ 朝涼 夕涼 晩涼 夜涼 涼風
涼しさの感覚は朝・夕・水面・風などで感じるものと影涼しなどの詩的なもので感じることが出来る。
露涼 し 三夏
「露涼し」は「夏の露」のことであるが、「露涼し」の方が感じがよい。料理の感性がとどく。
夏 の 夕 三夏
夏夕 夏 の 宵
日中の暑さ・夕方の涼に一息つくさま。
夏 の 夜 三夏
「夏の夜」のこと。
盛夏 晩夏
夏旺 ん 真夏
暑さの盛り、梅雨があけるといよいよ盛夏となる。
極暑 晩夏
酷暑
最も暑いころ。だいたい土用中である。
土用 晩夏
土用入 土用太郎 土用二郎 土用三郎 土用明 暑熱
今日「土用」と言えば「盛夏」に限られ、土用入(七月二十一日頃)を「土用太郎」・第二日を「土用二郎」、第三日を「土用三郎」という。農家はこの月を最も警戒する。土用土気最も 旺 ん。 暑熱 (うだる暑さ)、農作業休む。
本来土用は四度あり、陰陽五行説では木(春)、火(夏)、金(秋)、水(冬)、土(土用)で、十八・九日間ずつ各季の終りに置いた。
春は清明後十三日から立夏まで。
夏は小暑後十三日から立秋まで。
秋は寒露後十三日から立冬まで。
冬は小寒後十三日から立春まで。
土用の縁起
土用とうなぎ 平賀源内 (医者)・江戸中期、「今日、土用の日、丑の日」は有名。
「う」のつくものを食べよ。うなぎ、うどん、うめ干し、うになど縁起をかついだ。
※年により「丑の日」が二度ある。
秋近 し 晩夏
秋隣 秋隣 る
夏も終りに近く、秋も間近。
夜 の 秋 晩夏
夏も終りの頃になれば、夜は秋のごときに感じる。
晩夏 晩夏
夏の終りであり、夏 深 しである。
天文
雲 の 峰 三夏
入道雲のこと。
雷 三夏
雷 遠雷 雷神 雷声 雷鳴 落雷
夏に最も多い。雲間の電気が放電して起る。
「春の雲」「冬の雲」なども季語。
夕立 三夏
ゆだち 白雨 夕立雲 夕立風 夕立晴
夏の「 俄 か雨」のこと。夕方が多いところから夕立の名がある。
虹 三夏
朝虹 夕虹 虹立 つ 二重虹 円虹
虹は夕立の後に現れるのが多い。朝は西に、夕は東の空に、朝虹が立てば雨、夕虹が立てば晴ともいわれる。
色は外側から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順。
雲海 晩夏
高山から、飛行機の窓から見下すと一面に白雲が敷き重なるさま。「雲の海」なる 荘重 な景観である。
夏 の 月 三夏
月の一字は秋をさし、他の季の月はそれぞれ春・夏・冬を冠する約束ごと。「夏の月」は秋ほど澄んでいないが美観に値する。
日盛 晩夏
夏の日最も暑い盛り。午後二~三時を指す。
炎天 晩夏
日盛りの刻の空のこと。
日蔭 晩夏
夏の日午後、片側に「日蔭」をつくること。木の蔭・家の蔭・堀の蔭など。
夕焼 晩夏
夕空の真赤に火の如く焼け広がること。
夕凪 晩夏
朝凪
風は、昼は海から陸に、夜は反対に陸から海へ吹く。朝、夕は風が全く凪ぐ(止る)のさま。たえがたい暑さ。
旱 三夏
久しく雨が降らずに照り続くこと。
旱膾 室町末の『庖丁聞書』削り大根で作る。『料理物語』一六四三年に魚の 鱠 に 芋茎 や大根笹がきを加えるとある。
喜雨 三夏
雨喜 び 旱 つづきの折に降る雨のことをいう。
夏 の 雨 三夏
夏雨
雨は四季を問わない。その時々の風情がある。
夏雨もしかりである。
夏 の 朝 三夏
夏夜明 夏暁
夏の夜の明け方は早い。夏の朝清涼感はまことに快適。
夏深し 晩夏
夏闌
晩夏と同じ。
夏 の 果 晩夏
夏終 る 夏果 つ
夏もいよいよ終り。
秋 を 待 つ 晩夏
秋待 つ
夏の終り、秋の近づく季節。晩夏。
翌 の秋 晩夏
翌来 る 秋
この日で夏が終って明日は秋となる。
地理
青 田 晩夏
青田風 青田波 青田道
田植えした苗が伸びて、一面青田となる。風にゆらぐさま。一息の清涼感を覚える。
夏 の 山 三夏
夏山 夏嶺 青嶺 夏山家
山の形容は季節により異なる。夏は「 蒼翠滴 るが如し」、で表現している。蒼翠はつやのあるみどり。春は「山笑う」、秋は「山粧う」、冬は「山眠る」と表わす。
お 花畠 晩夏
高山植物が咲き乱れた地帯、高峰を望む高原、雪解けをまって開花する。花畠は秋の季語。
雪溪 晩夏
高山の溪を埋めた雪が、夏になってもなかなか消えず、万年雪として残る。これを「雪溪」という。「雪溪」は明治末頃から使う。
瀧 (滝) 三夏
滝壺 滝 の 音 滝道 滝浴
山中・絶壁の高いところから直ちに落ちる水、ゆるやかに落ちるものなども「滝」である。
泉 三夏
地下から湧き出る水、岩間から流れ出る水、池となって湛えている。山間に多い。
清水 三夏
山清水 苔清水 草清水 岩清水 真清水
山や野に、天然に湧き出している清冽な水。
「 真清水 」は清水の美称。
滴 り 三夏
夏期・ 懸崖 ・絶壁や苔などをつたわって落ちる 清冽 な点滴をいう。
噴井 三夏
自然に地下水が吹きでる井戸のこと。山近いあたりの井に多い。
見る目にいかにも涼しい感じ。
田水沸 く 晩夏
炎天下では田の水は湯のようになること。農家の人達には田の草取りにはその感が強い。
日焼田 晩夏
旱 が続いて、水がなくなっている田。
夏 の 海 三夏
夏海 夏 潮 夏の 潮 夏の 浜
土用浪 晩夏
太平洋に面した海岸にのみに起る現象、土用の頃風がないのに、波が高く、うねりをおこす。海水浴に注意。
生活
漆掻 晩夏
漆掻 く
漆の樹液を採集するため特殊な刃物で樹皮に切り目をつけ、そこに 溜 る乳状液が出るのを待って採集する。七月頃が最も盛んで品質がよい。会津・大和・丹波産が名高い。
夏館 三夏
夏の宿 夏邸
すべて夏らしい装いをした邸宅をいう。涼を求める装いの中で、打水もその一つ。
夏座敷 三夏
障子 ・ 襖 などはずし、 葭障子 、青 簾 など夏向きの 室礼 を施した座敷のこと。
扇 三夏
扇子 白扇 絵扇 絹扇 古扇 小扇
夏 仰 いで涼を求めるための扇。古名「かわほり」(こうもり)。こうもりを見て考察したとある。今日の扇子は骨組みに紙を貼る。平安の貴族は板扇( 檜 )を用いた。
団扇 三夏
団 絵団扇 絹団扇 白団扇 渋団扇 水団扇 古団扇 団扇掛 団扇置
あおいで涼を取る他に、火おこし、冷すなどに使用する。形はさまざまで円形・卵形・方形等ある。仕様にもさまざま。渋を塗ったものは台所、絹団扇は部座用と使い分ける。
蒲筵 三夏
蒲で編んだ筵。夏に座敷や縁側に敷く。
花茣蓙 三夏
絵筵 綾筵
美しい花模様に織りだした 藺草 の茣蓙。夏季縁側や板の間に敷く。「花筵」は花見に用いる。
著茣蓙 三夏
今は見られない。昭和三十年には姿を消す。
合羽 の代用、夏旅行、登山など日射を避け、雨を 凌 ぐ為に用いた。一枚の茣蓙で、 顎 の下で結び止めるもの。
寝茣蓙 三夏
寝筵 藺草 で織った茣蓙で夏の夜寝苦しい時に敷 蒲団 の上に敷いて寝る。又昼寝用に用いる。
ハンモック 三夏
吊床
目の荒い網の両端に網をつけ緑蔭の幹とか柱などに結びつけ、これに集って昼寝・納涼に用いる。
日除 三夏
日覆
夏に日光を避けるため布を張ったり簀を立てたりする。窓や店頭に用いる。
日傘 三夏
日がらかさ 絵日傘 パラソル 砂日傘
夏期日光を 遮 るために用いる傘。婦人用の洋傘を「パラソル」、海水浴場など休憩所用の大日傘を「 砂 日傘」、絵や花柄文様を「絵日傘」という。傘も時代と共に変化し消えるもの。晴雨兼用のビニール傘も見かける。
網笠 三夏
台笠 菅 笠 藺笠 檜笠 網代笠 饅頭笠 市女笠 女笠 熊谷笠
夏期、日光を避けるため用いたもの。日中外で働く職業の者が用いた。材質や形などによりその名がある。今日の帽子。
山開 晩夏
山開 き
登山の目的は元来信仰に基づいたもの。今は体を鍛える。レジャーなどさまざま。富士山は古くは六月一日、今は七月十日山開き。
富士詣 晩夏
富 士 の 山開 富士道者 富士行者 富士講 駒込富士詣 浅草富士詣
江戸時代山岳信仰として盛大を極める。七月十日山開き、頂上に鎮座する富士権現に参詣することをいう。「富士講」(富士詣の団体)、 富士道者 (参詣団体の人々)。 富士行者 (参詣団体の伴って登山する先達)。白衣をまとい鈴、杖を携える。
登山 晩夏
山登 登山 宿 登山小屋 山小屋 登山口 登山杖 登山 笠 登山 馬
日本には古来、山岳信仰があり、信仰に依る登山者は、白衣に 茣蓙 を着て、登山帽、 草鞋 ばきで登山杖を持って山に夏登る。
昭和の初めまでは登山は夏登るものであった。今日の登山は信仰より体を鍛える・レジャーに年中登る。軽装な姿、事故も多い。
キャンプ 晩夏
キャンプ キャンピング 天幕村
夏期、涼しい高原・湖畔・海辺・林間などに天幕を張り、簡易な生活をして自然に親しむこと。
帷子 晩夏
黄帷子 白帷子 染帷子
麻や 苧 などの織物などで作った単衣をいう。黄帷子は卵色で 紋 付きが多い。着心地がよく貴人も用いるようになり、江戸時代に普及する。
上布 三夏
薩摩 上布 越後 上布
麻織物の一種、 苧 ・麻等の細糸で織った布。
「越後上布」、「薩摩上布」は名高い。
芭蕉布 三夏
芭蕉の皮の繊維で織った布である。
薄物 晩夏
軽羅 羅
盛夏の頃用いる 絽 ・ 紗 ・明石・上布など。
薄絹で作った単衣をいう。
浴衣 三夏
湯帷子 浴衣 地 染 浴衣 貸 浴衣 浴衣 掛 古 浴衣 初 浴衣 藍 浴衣
入浴の前後に用いた「単衣」の略称。主として木綿地のものが多かった。今日は外出する風習となったので、絹織物も用いる。
晒布 三夏
晒 奈良晒 晒川 晒時
麻布・木綿布を灰汁に浸し、煮て、よく洗浄して純白にした布。日光に晒す、奈良産のものが有名。
甚平 晩夏
じんべ 甚兵衛
麻や薄地の布で作った、袖無し羽織のような単衣で、夏に関西地方で子供や老人が多く用いる。
ハンカチ 三夏
ハンカチーフ 汗拭 汗拭 い 汗巾
昔は「日本手拭」を半分に切って用いる。木綿・麻・絹・ガーゼなど白地のもの。涼しい文様など多様。夏のエチケット。
衣紋竹 三夏
衣紋竿
竹・木製の長さ六十~七十センチで夏衣類などかけて乾かす。着物用ハンガー。
簟 三夏
籐筵 とむしろ 蒲筵
竹を細く割って編んだ筵。夏期専用の敷物、籐で編んだものを「籐筵」、蒲で編んだのを「蒲筵」という。
油団 三夏
夏用の敷物。和紙を厚く張り合わせ表に油又は漆を塗る、夏用の敷物。冷たいので気持が良い。畳の汚れをさけるのに役立つ。
円座 三夏
藺 ・ 蒲 ・ 藁 ・ 菅 で円形に編んだ敷物。涼み台・縁台等に敷く。見る目涼しく、神棚などに敷くと清浄な感じ。
籠枕 三夏
籐枕
竹・籐で籐目に編んだ枕である。中は空洞で風を通す。夏季に用いる。
竹夫人 三夏
抱籠 添寝籠 竹奴 竹婦人
長さ一m~一・五m位の細長い竹製の籠で、寝る時、抱いたり足をもたせるなど、涼を取るために用いる。今は見られない。
竹床几 三夏
竹で作った「腰掛」をいう。納涼に用いる。
噴水 三夏
吹上げ
庭園・公園の池中に水を噴き上げる。涼味をよぶためのもの。
瀧殿 三夏
納涼のために瀧のほとりに作った建物。平安時代、国風文化の建築様式。
泉 殿 三夏
水殿 釣殿 水亭
納涼のために泉水の上に突き出して作った 四方屋 。平安時代、国風文化の建築様式。
川床 仲夏~初秋
床 床涼 み 河原納涼 川床
京は盆地。夏は暑い。京都四条川原の川床が名高い。納涼のため、川の流れに突き出して設けた床をいう。
納涼 晩夏
涼 む 橋 涼み 縁 涼み 土手 涼み 磯 涼み 夕涼み 宵 涼み 夜 涼み 涼み台 涼み 舟
暑さを避けるため、涼しい所に出て涼む、情景。橋の上で縁・土手・海でとさまざま。
端居 三夏
夏、室内の暑を避け庭に出て風景を味わいくつろいでいるさま。
打水 三夏
水撒 き 水 打
夏、庭・路地に水を撒く。地焼を 醒 まして涼風を呼ぶためにする。
行水 晩夏
大きい 盥 に湯や水をたたえて、身体の汗を流すのをいう。簡単な湯浴で湯殿や庭先等でもやる。
夜店 三夏
夏の夕方、街の路傍に出て店を開くことをいう。安い品を商う。
箱釣 三夏
夏の風物詩。夏祭のなどで浅い箱の水槽に金魚・目高など入れ紙の 杓子 ですくう。金魚すくい。鯉や鮒など餌なしの釣りで引かける遊びを「箱釣」という。
夏芝居 三夏
夏狂言 土用芝居 水狂言
夏に興行する演劇。昔歌舞伎では、五月狂言をうちあげると、土用休みをとった。その土用休み中に若手が臨時の座組を作り興行した演劇を「 土用芝居 」という。主に怪談物、喜劇、水を使ってする暑中興行をした。
ながし 三夏
新内 ながし
夏の夜、花街を二人連れで、一人がうたい、一人が三味線を弾き歩く。座敷から呼びとめられると、艶に哀調を帯びたひと節を聞かせる。
夜濯 三夏
盛夏の頃、肌着類など汗で汚れる。その晩に洗って夜干をしておく。朝は乾いている。夜の洗濯のこと。
瓜番 晩夏
瓜小屋 瓜守 瓜盗人
甜瓜 や、西瓜が盗まれないよう夜中畑の番をする者が「瓜番」「瓜守」である。畑の真中に「瓜番小屋」・「 筵 小屋」に古い 蚊帳 を吊るし、蝋燭など立てて見張る。
振舞水 晩夏
接待水 水振舞
昔、夏の暑い盛りに路傍に樽や 手桶 に飲料水を満たし、 柄杓 ・茶碗を添え通行人に自由に飲ませた。今では見かけない。
風鈴 三夏
風鐸 風鈴売
鐘の形、内から舌が垂れ短冊を付けている。材質は金属製・ 硝子 製・陶製などある。共に軒や窓などに吊るし風がくるたび涼音を楽しむ。歴史は古く鎌倉・室町時代に風を・・・音として楽しむ。
釣忍 三夏
吊忍 忍草 を小形の風鈴・ 井桁 ・舟などの形にして軒などに吊るって観賞する。水をかけると涼しさを呼ぶ。夏の風物の一つ。
金魚売 三夏
一九六五年(昭和四十年)頃まで見られた。「金魚えー金魚えー」と 天秤棒 に金魚の桶を荷って、金魚売が来たもの。夏の景物の一つ。
金魚玉 三夏
金魚鉢
金魚を入れる容器(ガラス鉢)。軒端に吊るす。卓上に置いて楽しむ。
水盤 三夏
浅い陶製の鉢で形・大きささまざま。涼しさを求め、 室礼 として床の間に、水をはり 稗 や八ツ頭の芽を楽しむ。涼趣によい。
稗蒔 三夏
稗蒔 く
さまざまな容器や水盤に水をはり稗を蒔き、目が生え 揃 った涼趣を観賞する。又は畑に稗を蒔くことをいう。
箱庭 三夏
盆景
庭の浅い箱に土を盛り、草や木・石を置いて山水を配置し庭園を作る。「盆景」、室町時代東山文化に栄える。
水遊 三夏
水 合戦 水試合 水戦
夏の子供達の「水遊び」をいう。子供にとっては楽しいもの。
水鉄砲 三夏
子供の玩具。竹、木等がある。一方に水孔の水吐口をつけ、水を入れ一方から布を巻いた棒をさす。
水中花 三夏
水中に投げると人物・花鳥などの形となる玩具。夜店、縁日などで売っていた。昭和三十五年頃までかな。今は見られない。
花氷 晩夏
氷柱
今日のように冷房完備でない時代、室内を涼しく見せるため、きれいな草花などを閉じ込めた氷の柱を立てた。これを花氷という。単に氷を立てたものは氷柱という。
氷室 三夏
氷室守 氷室の 雪 氷室 山
貴人が夏に食するため、冬に氷を貯蔵するところを「氷室」という。その番人を氷室 守 、氷室に貯えた雪が「氷室の雪」、その山を「氷室山」という。陰暦四月~九月まで使用する。
明治に入り人工氷を作るようになる。昔は氷は天皇、高貴な人のもの。
祇園会 晩夏
祇園祭 山鉾 祇園囃 屏風祭 宵山 宵飾 鉾 の 粽 無言詣 鉾稚児
京都八坂神社の祭礼をいう。七月いっぱいの行事。ピークは七月十七日~二十四日、「葵祭」と共に京都二大祭り。「祇園会」の起りは平安時代初期、清和天皇八六九年疫災退散のため。応仁の乱で一時中止する。江戸時代に入って今日の山・鉾の巡行、行列の形の式が整備され今日まで続いている。八坂神社の社紋に似ている故に氏子は胡瓜を食べない風習がある。
昼寝 三夏
午睡 昼寝起 昼寝覚 昼寝人 三尺寝
夏の夜は短く、暑さのため常に睡眠不足になる。又暑さのため疲れやすく「昼寝」をする。
三尺寝とは狭い所という意味と、大工・左官など職人は日陰が三尺(九十センチ)動く間だけ昼寝をとるという意味。
日向水 晩夏
夏の 烈日 の下に、水桶や 盥 に水を入れ、日光で温めたで温めた水をいう。これを洗濯や行水にしたりする。燃料の節約になる。
水番 晩夏
夜水番 水番小屋 水守 る 水盗 む
夏の盛り田に最も大切な用水を盗まれるのを防ぐために見張りをすることをいう。夜間に多く、この番人を「夜水番」という。
水喧嘩 仲夏~
水論 水争 水敵
夏に 旱 が続くと、農夫達が田の用水について争うことをいう。村と村の竹槍騒動が持ち上がることもある。
雨乞 晩夏
雨 の 祈 祈雨 祈雨経
旱魃 の折に農林では氏神様・水神様に 請雨 の祈りをする。祈りにはお経を読んだり、踊ったり、神水を散すなどをする。
跣足 三夏
跣 徒跣 素跣
素足で、地上を歩くこと。
裸 晩夏
赤裸 丸 裸 素 裸 真裸 裸身 裸子
暑さのため衣類を脱ぐこと。
日焼 三夏
夏紫外線が強いため皮膚が黒く焼ける。
ボート 三夏
夏になると川・池・湖などで「ボート」を漕ぐ人が見られる。賑わうのは梅雨明けごろ。
ヨット 三夏
湖上・海上などで小舟に帆をはり、風をはらませ、舵をあやつり、水上を快走する。夏に娯楽用の帆艇など行われる。
泳 ぎ 晩夏
水泳 遊泳 競泳 遠泳 川浴 泳 ぎ 船 浮袋 浮板
暑くなると海、河に入って泳ぐ、夏のスポーツ。古来日本では水練は武術の一つ。流派があった。明治以降、自由型、背泳、バタフライ、平泳、外国から輸入。
潮浴 晩夏
潮浴び
海水浴のこと。
海水浴 晩夏
潮浴 び 波 のり
夏に子供達が暑さを避けるため、潮浴びをする。保健衛生にも良い。海水浴場は都会から押し寄せ、「海水浴」を楽しむ。
海水着 晩夏
海水浴の際に着る水着。
避暑 晩夏
避暑地 避暑の 宿 避暑 客 避暑の 旅 避暑 期 銷夏
夏涼しい海、山、高原などに出掛ける。 逗留 したりする。
夏休 晩夏
暑中休 暑中休暇
学校では毎年七月下旬から一ヶ月程定期休校をする。一般会社・諸官庁など、有給休暇をとる。
帰省 晩夏
帰省子
学生・会社員など夏期休暇などを利用して故郷に帰る。夏期が最も多い。
林間学校 晩夏
夏休みを利用して小・中学校の学生を涼しい所に転地し、授業・運動など数日を過ごさせる。臨時の学校。欧米に習う。
暑中見舞 晩夏
土用見舞 夏見舞
日本古来の風習。暑中親しい家々が物を贈答したり、「見舞状」を交換したりする。
虫干 晩夏
虫払 い 土用干 曝書 書 を 曝 す 曝涼 風入
土用の晴天の日、神社・仏閣・家々で衣類・書籍・調度品類を陰干し、風通し、カビ・虫などを防ぐのをいう。書籍の虫干を「曝書」という。
暑気払 い 晩夏
薬を服用して暑気を払う。その薬はこうじゅ散・ 枇杷葉湯 。薬以外のもので暑気を払うのは梅酒か焼酎などで。暑気払いには二通りある。
香水 三夏
夏に汗の臭い体臭を消すために用いる。香水の種類は多種ある。衣服・ハンカチ・扇などにつける。
掛香 三夏
匂い袋 薫衣香
夏室内の臭気を防ぎ、邪気を払うため、袋に入れた香を柱などにかけておく。婦人はこれを身に付ける。「匂い袋」は香料を入れた袋。懐中に、 箪笥 の中に、入れる。
暑気 中 り 晩夏
暑さあたり 暑にまける
暑さのため身体を害し、食欲不振になる。
水あたり 三夏
夏、生水を飲み胃腸を損うこと。
夏痩 三夏
夏、食欲がなくなり、やせる。夏 負 。
川開 晩夏
両国 の 花火
東京隅田川、両国橋畔に上下流に於て、七月下旬頃大花火を打ちあげる行事がある。これを川開という。おこりは江戸中期あり、大変な賑わい。 黄檗宗 が全国に拡げた。
天神祭 晩暑
天満祭 天満 の 御祓 船祭
日本三大祭りの一つ。七月二十五日大阪市北区「天神祭」、「天満祭り」又は「船祭り」ともいう。宵宮祭りには 鉾 流の神事。二十五日の 川渡御 とたいそう盛大。起源は古く、天暦七年(九五三年)。千年を越えている。
御祓 晩暑
夏越 の 祓 御祓 大祓 名越 の 祓 夏越 六月 の祓 水無月祓 荒和 の 祓 夕祓
川祓 御祓川 形代 購物 撫物 形代流 し 祓草 七瀬 の 御祓
陰暦六月 晦日 、又は陽暦七月晦日、明治六年から、諸社で行われる神事のこと。元は大宝令の定め、「六月の祓(水無月祓)」と十二月に行われたが、十二月廃れる。「六月の祓い」だけとなった。
形代 晩暑
御祓のとき、白紙を人の形に裁ち切ったもので体をなで、それに自分の名前を書いたもの。体に着いた汚れを祓った。
茅 の 輪 晩夏
菅貫 菅抜
陰暦六月晦日の夏越に用いる 茅 の輪。菅貫、菅抜ともいい、茅を紙で包み束ねて輪の形に作って神社の鳥居のなか、拝殿におき、参詣人はこれをくぐることによって病災をまぬがれるという信仰。
菅刈 晩夏
菅刈 る 菅干 す 菅
七月頃刈り取って干す。干して 蓑 ・笠・ 蓆
縄等の材料になる。乾かすと白く美しい、加賀・摂津の産が有名。
藺刈 三夏
藺刈 る 藺干 す 藺草
七月末頃刈り取って干す。畳表・ 茣蓙 にする。
また橙心を作る。岡山・広島・福岡・愛知産。
動物
雷鳥 晩夏
天然記念物。日本アルプスの高所に棲み、動作は鈍く高くは飛べない。人が近づいても容易に逃げようとしない。保護色の為、冬は全身白くなる。
蝉 晩夏
蝉時雨 唖蝉 初蝉 蝉涼 し 蝉捕 り 油蝉 みんみん 蝉 朝蝉 夕蝉 夜蝉
森の中での「蝉時雨」は夏の季語。種類も多い。にい蝉は「ニイニイ」。油蝉は「ジュイ」。みんみん蝉は「ミーンミーン」。鳴くのはオス蝉ばかり、メスは「 唖蝉 」で鳴かない。
空蝉 晩夏
蝉の殻 蝉の脱殻
蝉の「脱殻」のこと。幼虫が土の中で数年生活して 蛹 となる。木の幹に上がり、皮を脱ぎ羽化して蝉となる。ぬけ殻を「空蝉」という。
植物
青柚 晩夏
古来「柚子は酒毒を解し、飲酒の人の口気を治す」とある。柚子は五月頃花を終えると実を結ぶ。青柚は三㎝程の小さな濃緑色の玉。皮の香りは料理に。青柚は夏、柚子は秋。
岩梨 晩夏
こけもも
日本の固有種。ツツジ科、岩から顔を出す二五㎝程の常緑低木で花は初花に咲き「実を結ぶ」。小粒な実は熱すると旨く味は梨に似ている。地方の子供達は取って食べる。白ワイン漬けとなし、小鉢の天盛り季を添える。
沙羅 の 花 晩夏
夏椿の花 さるなめ あからぎ
ツバキ科の落葉高木。山中に自生、庭にも植える。七月に五㎝位の白い花は椿に似ている。「夏の茶花」としての顔もある。インドの沙羅樹は日本にはない。
蒲 の 穂 晩夏
蒲の穂は水辺、沼沢に自生。円柱状の「蒲の穂」の上部は雄花穂(黄色花粉)でその下に雌花穂(緑色花粉)があり雌雄つながっている。雄花穂が消え、雌花穂が残る。雌花穂は傷薬り、煎じて薬用に利用。※蒲の穂は蒲鉾の語源。
行事食
胡瓜揉 三夏
瓜揉 む 瓜膾
夏の代表的な野菜「胡瓜」は薄く輪切となし塩で揉む。洗い流し固く絞ると歯ざわりが良い。
二杯酢・三杯酢も良いが、汗を沢山かいた日には「甘酢」が捨てがたい。棒麩は相性が良い。
冷 し 瓜 三夏
「 甜瓜 」、「真桑瓜」とも書く。井戸水を 盥 に汲み、瓜を冷したのはこの瓜。プリンスメロンやハウスメロンの普及により姿を消す。昔の味が恋しいと思う。プリンスより甘み薄い。
瓜漬 三夏
胡瓜漬
「胡瓜」、「 越瓜 」、「青瓜」を塩漬け、糠味噌漬とする。瓜類は皮が厚く種が多いのが特徴、盛夏の頃は外皮を厚くむき、種を取り塩漬にする。越瓜はなるべく小さなものを選ぶと良い。大きいものは奈良漬にする。
乾瓜 三夏
雷乾 雷干 し
「 越瓜 」を 螺旋 状に長く連ねて切り、塩水に漬けて陰干にする(雷干し)。
冷素麺 三夏
冷素麺 素麺冷 す
「素麺」を茹でて冷水・氷水で冷やしたものをいう。麺類中一番細く夏季向きで、産地や製法により名称が違う。「三輪素麺」・「五色素麺」など、製造は十二~三月。
冷麦 三夏
「冷麦」は「素麺」と同じ小麦粉を原料とする乾麺。「素麺」より太い、茹でて冷水にとり素麺同様つけ麺・かけ麺で食す。
麦湯 三夏
麦茶
大麦の殻付のまま炒って煎じた飲料。麦茶ともいう。夏になると、ひと昔前には、各家庭で作り井戸水で冷す。香り高い飲料。戦前には道ばたに湯呑所を設けて麦湯の接待(振舞水)。
砂糖水 三夏
砂糖に冷水を注いで飲む清涼飲料。ひと昔前の飲みもの。今はレモンを絞ったりして楽しんでいる。
飴湯 三夏
飴を湯でとかした飲料。胃腸の薬とされた夏の飲み物で季語は夏。昔飴湯売の行商があった。大阪に多い。
氷水 三夏
夏氷 削氷 氷店 氷売 氷小豆 氷苺
鉋 を使ったり、器械を回して削った氷にミルク・いちご・レモンシロップをかけたりする。茹で小豆をのせて楽しむ。夏の風物詩。
氷菓 三夏
氷菓子 アイスクリーム ソフトクリーム アイスキャンディ
夏の氷菓子の総称をいう。「氷菓」は季語としての響がよい。
麦酒 三夏
冷し麦酒 生ビール 黒 ビール 発泡酒 ビアガーデン
夏に最も愛用される飲料。昭和三十九年以降婦人にも愛用されるようになる。大麦で製した酒で製法により「エールビール」(上面発酵)、「ラガービール」(下面発酵)が主で種類も多い。酒税の面で発泡酒、第三のビールが発売される。ビール紀元前四~五千年前。起源はエジプト。
甘酒 三夏
醴 一夜酒 甘酒 売
「甘酒」造りは実に簡単。 粳 米・ 糯米 で柔らかいご飯を炊き、麹を加え、温めると、夏は八時間、冬なら夏の二~三倍の時間で作れる一夜酒。子供から大人まで好まれる。砂糖のない時代格別な」飲料。暑い時夏に愛用で季語は夏。冬期にも好まれる。「甘酒売り」は遠い時代の名残り。
古代来の赤・黒米でも出来る。
焼酎 三夏
泡盛 甘藷焼酎 黍焼酎 粕取焼酎
暑気払いとして用いる。焼酎には馬鈴薯・ 甘藷 ・ 玉蜀黍 ・米・麦・粟・稗などが原料、酒粕などでも造る。以前は格安で庶民の飲料、今はブランド名あり価格さまざま。製法により甲類・乙類と分かれる。
冷酒 三夏
冷 し 酒 冷酒
以前の「冷酒」は一度燗をして冷して飲むもので夏の飲料。悪酔しないために燗をする考え方が一般的。「冷酒と親の意見は後の薬」。今は燗しない。
水羊羹 三夏
小豆餡に寒天を混ぜ寄せる。笹や桜の葉で包む。瑞々しい羊羹。
心天 三夏
天草を 曝 して作った食品。乾かした天草を煮て溶かし、麻布で搾って容器に流し凝固させ、切って天突きしたもの。黒蜜をかけたり酢醤油をかけて食べる。夏の風物詩。 天花菜 は日本各地で採れる。伊予の国宇和島良質。
葛餅 三夏
葛練 葛切
本葛を水で溶いて堅めに練り、箱に流す。冷して三角形に切り、黄粉と黒蜜をかけて食す。「葛切り」はうどんのように切ったもの。黄粉と黒蜜で食す。夏向きの菓子。
葛饅頭 三夏
皮は葛粉で作る。中に餡を入れ、桜の青々した葉で包んだ生菓子。冷して食べる。
密豆 三夏
茹でた 豌豆 ・寒天・ 求肥 を小さく切ったものに密をかけて食す。他に果物をカット、パイナップル、桃、みかんの缶詰を入れたフルーツ密豆、餡の入ったあん密などがある。夏期に子供・女子に好まれる。
茹小豆 三夏
柔らかく茹でた小豆に砂糖を加えたり、氷片など入れ冷たくして食べる。
麨 三夏
麦炒粉 こがし むぎこがし 麦香煎 糗茶 麦落雁
新麦(大麦)を炒って粉にひいたもの、砂糖を混ぜて食べる。湯で練って食べる「麦こがし」、「こがし」水で溶いて固め干菓子としたもの「麦落雁」夏の食べもの。
冷奴 三夏
冷豆腐
豆腐を縦に庖丁し、横四等分にすると八貫になり、五貫を一人前にする。よくよく冷した豆腐に薬味は卸し生姜・紫蘇の葉・茗荷・七味・に花かつおを添え割醤油で頂く。好みにより胡麻油を落すのもよい。夏期の喜びの一品。
冷汁 三夏
冷 し 汁 煮冷 し 煮冷 し
夏期に冷した汁物で、味噌汁、 清 汁などを器ともども冷して用いた。平安時代の「台盤料理」の献立に「鯉の冷汁」が載っている。汁は飯の菜、吸物は酒の肴である。古い文献では冬でも酒の肴として供していた。季語は夏期。
干飯 三夏
洗飯 水漬
ご飯を洗って干す又は残飯を洗って干したもので「 糒 」といい保存食として貯えたもの。
炒って、水に浸してから食べるなどする。
古くは戦の折。旅人の弁当に用いた。「道明寺」は 糯米 が原料。
水飯 晩夏
洗飯 水漬
盛夏、食欲のない時などご飯を洗って、冷水をかけて食す。これも美味、平安時代の貴族も食す。『源氏物語』にもあらわれている。
水飯の味は塩・梅干・味噌を直接入れる。
飯饐 る 三夏
暑さの為に飯が腐りかけ汗をかくことをいう。特に麦飯が 饐 えやすい。その為に井戸の中に吊るしたりする。饐えかけた飯は洗って食べるか、雑炊にして食べる。今は冷蔵庫があるので助かる。
飯笊 三夏
夏期、飯の饐えるのを防ぐために、竹製の笊の「 飯櫃 」を用いる。蓋がある。
鮓 三夏
鮨 圧鮓 握鮓 五目鮓 ちらし 鮓 早鮓 早圧鮓 一夜鮓 鮎鮓 鯖鮓 鮒鮓
鮓には大別すると「早鮓」(ご飯に酢・砂糖・塩で合せ 種 をのせる)の中には「握鮓」・「五目鮓」・「圧鮓」など主で江戸時代中期以降に作られた。もう一つは「なれ鮓」(鮒鮓・鮎鮓など)古く『延喜式』の文献にも見える。塩圧した鮒・鮎を桶に入れ、ご飯を混ぜ寝かせ自然発酵させたもの。通人に好まれる。握鮓は日本料理の代表的なもの。外国人にも好まれる食べ物。
干鱧 三夏
鱧料理は関西有名で夏が旬、干鱧は小さめの鱧を開いて骨切りし焼いたもの。二杯酢・三杯酢・梅肉など好みで食す。つけ合せは胡瓜揉みがあう。
あらい 三夏
洗膾
夏の代表的な料理。活きた魚を三枚に卸し、上身となし、そぎ身に庖丁、冷水にて洗う、身がはぜるのが洗い。清涼感に満ちた器に盛る。ギャマン・青磁・黄交趾など。あらいの代表的食材、 鯉 ・ 鱸 ・鯛・黒鯛・車 蝦 ・あこう・こちなど。鯉は酢味噌が合う。
夏料理 三夏
味はさっぱりと、見た目に涼しくが夏料理。家庭料理では冷奴、茄子の味噌炒め、胡瓜揉み、漬物では浅漬け。料亭では洗い、冷吸物、鮎の塩焼、鰻料理、水貝などがある。
船料理 三夏
川岸につながれたままの屋形船の船中で料理する。有名なのは大阪、 舟生州 、 生簀船 、夏料理。
水貝 三夏
夏の代表的な料理。黒鮑を塩で洗い、身が締まったところで貝をはずし、賽の目に切り氷水の立塩に鮑・胡瓜・独活・ 蓴菜 など放し供す。塩味で、割酢・割醤油など好みで食す。
背越 三夏
背越膾 沖膾
沖でとれた小魚類(鯵・きすなど)を頭、鱗、腸、鰭、尾を去り、骨ぐるみ庖丁し切り離す。
淡水では若鮎の背越しは美味。
泥鰌鍋 三夏
泥鰌汁 泥鰌鍋
大きいのは割き泥鰌と笹がき牛蒡を玉子でとじる。小さいものは丸のまま用いる。江戸時代泥鰌・牛蒡は精が付き、暑中に食べるものであった。「泥鰌汁」は主に味噌仕立。泥鰌鍋は江戸時代後期「文化」以降、「柳川鍋」は天保以降、日本橋柳川の屋号の名称。『守貞謾稿』
梅干 晩夏
干梅 梅干 す 梅漬 梅筵
梅干には黄色く、熱した梅を用いる。へたを竹串で取り塩漬とし、数日後汁が上るこれが「梅酢」である。梅を取り出し笊にならべ日に干す。赤紫蘇は塩揉みし絞って「梅酢」に梅と共に入れる。再びあげて土用中に三日三晩干す、これを土用干という。
土用鰻 晩夏
土用の丑の日は平賀源内(江戸中期活躍、医者、本草学者)の「今日土用の日丑の日」の着板により今日迄続いている。夏の土用に鰻を食べれば暑気に当らないとされ、鰻を食べる人が多い。鰻は夏も旨いが、冬期は最上。
土用蜆 晩夏
夏の土用中の蜆を土用蜆といい食する。夏は体が弱まると共に口当りを求める。蜆の味噌汁はさっぱりして旨い。滋養になる。肝臓の良薬。土用蜆は大和蜆のこと。
梅酒 晩夏
梅酒 梅酒 梅焼酎
「梅酒」は青梅を用い、ホワイトリカー・氷砂糖を用い作る。壺や広口のガラス瓶に入れ、密封して置く。風味よく暑気払いとして用いる。
干瓢乾 す 晩夏
七・八月頃、夕顔を細長く剝き、これを乾燥して干瓢を作る。一ヶ月で干し上らないと 黴 がはえやすい。栃木県名産。
鴫焼 三夏
本来は野鳥の鴫を焼いた料理。見立料理で鴫肉のかわりに鴨肉を用いる。丸茄子を用い横二つに切り、くり抜き、野鳥の挽肉を詰めて焼く。又は茄子に胡麻油を塗り焼いて赤の田楽味噌を塗り仕上げる。上りに 芥子 の実を散す。「茄子の鴫焼」。
茄子漬 三夏
茄子の漬物としては「浅漬」・「糠味噌漬」・「粕漬」・「味噌漬」・「芥子漬」などと多い。食欲のない時など最適。長茄子など珍しい。仙台名物。
天草取 三夏
ところてん 草 天草取 心太草取 る 天草干 す
天草は立夏の頃から八月末頃の間に採る。寒天・心太を製する原料で、海中の岩石に生じる紅藻類で、普通舟を用いるか、海女さんが海中に潜って採取する。採取した天草は、浜辺に広げて干す。
新節 三夏
年内に作った「鰹節」をいう。江戸初期(一六七四年)に漁師甚太郎が製造する。製法は「土佐節」・「伊豆節」・「薩摩節」などに分れる。
白玉 三夏
氷白玉
糯米 を寒に晒して作るのが白玉。口当りが良い、白玉を水でこね耳たぶぐらいの柔かさにし、一口の大きさに丸めて茹でる。料理では吸物の椀種に、冷菓では砂糖やシロップ、小豆餡をのせて食べる。夏のデザートとして楽しむ。
土用餅 晩夏
古くは土用に餅をついて食べる習慣がある。暑気あたりせぬようにとの願い。餅は食文化の中心に添えられている。
冷 し 西瓜 晩夏
たらいに井戸水を汲み、西瓜を冷すのは夏の風物詩である。今日では冷蔵庫。
冷し 紅茶 三夏
アイスティー
紅茶を冷して、氷を浮べたりして飲む。
冷 しコーヒー 三夏
アイスコーヒー コールコーヒー
夏の最中、一杯の冷たいコーヒーは喉をうるおすのに最適である。関西ではコールコーヒーという。
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